ケーブル保護管(無電柱化)

コスト縮減手引きに基づく試験規格

「無電柱化のコスト縮減の手引き」(令和6年3月発出)に基づく合成樹脂管(塩化ビニル管)の試験規格等について

令和6年3月、国土交通省道路局環境安全・防災課から発出された「無電柱化のコスト縮減の手引き」(以下「手引き」という。)において、 各管路材の要求性能及び試験項目(手引き中、「2-2-7 管路材の要求性能」(P31-33参照))が提示されたところ、合成樹脂管(塩化ビニル管)に求められる性能及び試験項目に対し、 当協会会員各社が共通に採用している試験規格を以下のとおり公表します。
なお、試験規格はいずれもJIS規格(JISK6741またはJISK7206)または「管路材試験実施マニュアル(案)」に準ずるものであり、当該試験規格に基づく試験報告書を以て、立ち合い試験は省略できるものと考えます。
ご検討の程宜しくお願い申し上げます。

試験規格

性能項目 試験項目 試験内容 引用規格
①導通性 導通性試験
(工場試験)
導通試験球(直管:内径-2~3mm,曲管:内径-5~6mmの球)が定尺管の管路内を容易に通過できること。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
外観・構造試験 試験体の構造は,次によらなければならない。
  1. 管の端面は管軸に対して原則的に直角で、孔の断面は原則的に正円であること。
  2. 管の内面は使用上有害な突起・きず・割れその他ケーブルの被覆を損傷するような欠点がないものであること。
  3. 管(曲管を除く)は実用的にまっすぐであること。
JIS規格に準拠し、電力会社との協議により必要な寸法構造とし、施工・使用環境を踏まえ調整
②強度 引張強度試験 23℃における引張降伏強さが45MPa以上であること。 JIS規格準拠
圧縮強度試験 規定荷重Pに対し有害な欠点が発生せず、たわみ率が、外径の2.5%以下であること。
P=F×L×S
F:埋設状態と等価の曲げモーメントを生じる換算荷重(kN/m)
L:試験片長さ(m)
S:安全率(S=3)
なお、電力管は60℃(ケーブル発熱を想定)、通信管は23℃で試験する。
管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
③水密性 水密性試験 電力管:外圧50kPaで5分間漏れのないこと。
通信管:外圧50kPaで5分間、または内負圧39kPaで20分間漏れないこと。
JIS規格に準拠し、電力会社との協議により必要な寸法構造とし、施工・使用環境を踏まえ調整
④耐衝撃性 耐衝撃性試験 JIS A 8902「ショベルおよびスコップ」に規定されるショベル丸型の刃先を管軸に直角に当て、緩衝材(CRゴム:厚さ10mm、硬度35)を下面に貼りつけた10kgの錘を13cmの高さから自然落下させ打撃したとき、割れや穴(貫通)があかないこと。 JIS規格に準拠し、電力会社との協議により施工実態を考慮して調整
⑤扁平強さ 扁平試験 23±2℃で外径の1/2まで圧縮し、ワレ、ヒビを生じないこと。 JIS規格準拠
⑥耐久性 耐候性試験 WS試験器にセットし、ブラックパネル温度63±3℃、スプレー18分/120分の条件で、100時間暴露後のシャルピー衝撃値の低下率が20%以下。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
ゴム強度・耐久性試験 JIS K 6353 水道用ゴムに規定するⅠ類Aの物性に適合すること。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
⑦耐震性 管軸圧縮試験 管軸圧縮試験において、以下の条件を満足すること。
  1. 試験体に規定変位量L1(製品有効長×0.001)を与えたとき、規定変位量L1が継手構造の持つ許容最大縮み量以下であること。もしくは、試験体に働く応力が試験体の弾性域内であること。
  2. 試験体に規定変位量L2(製品有効長×0.005)を与えたとき、規定変位量L2が継手構造の持つ許容最大縮み量以下であること。もしくは、継手に亀裂、その他有害な欠点が発生しないこと。
管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
⑧内面摩擦 静摩擦試験 静摩擦性試験を行ったとき、静摩擦係数の最大値および平均値が規定値以下であること。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
⑨対燃性 耐燃性試験 炎が自然に消えること。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
⑩耐熱性 耐熱性試験 60±2℃で3時間加熱後、室温まで放冷した時、寸法の変化率±1%以内。 管路材試験実施マニュアル(案)に準拠
ビカット軟化点温度試験 電力管:80℃以上(JIS K 7206 B-50法による)
通信管:76℃以上(JIS K 7206 B-50法による)、または85℃以上(JIS K 7206 A-50法による)
JIS規格準拠し、更に電力会社との協議により、厳しい要求性能とした。